<< 雑誌掲載のお知らせ | main | 四季の食卓「春をはじめる朝ごはん」 >>
鷲の尾「酒と肴と器」出展参加 

漆が多い

今週金曜から3日間、岩手県八幡平市の造り酒屋、鷲の尾にて「酒と肴と器」に参加します。
6人の作り手及び1団体が参加する地元では毎年開かれる展示。
鷲の尾は創業文政12年(西暦1829年)の歴史ある地元の造り酒屋で、
鶴屋南北が入定したのが文政12年、と聞けばどれだけの歴史があるのか途方に暮れるほど。
全国各地の造り酒屋は歴史が深いところが多い。
今回の展示では普段は滅多に入ることのできない鷲の尾母屋を借りて、
私たち器の作り手が展示をさせていただくという趣向になります。
(酒蔵見学(要予約)も可能。)


池袋西口を出て交番を北に進むと、薄汚いカウンターのある一軒の飲み屋がある。
日本酒を思い浮かべると、真っ先にこのお世辞にもきれいとはいえない飲み屋を思い出す。
仕事帰りで一杯引っかけたい安っぽい背広を着たサラリーマンや汗くさい土方作業帰りの労働者、きな臭いオーラを発する職業不詳の得体の知れない人々がみんな一緒になって、幅の狭い店の奥に向かって3間程伸びた油でテカテカになったカウンターと、安物のパイプイスに座りながら、まずい酒を友に各々の時間を過ごしている。
ここの酒は怪しい、おそらく水を混ぜているのは必死。やたら薄いのだ。
メニューには「日本酒 1合」のみ、銘柄ももちろん記されていない。
だが、その酒をちびりちびりやりながら、塩をつけつつ食う生キャベツのうまいこと。
ごたごたに煮込んだ何が何やら分からなくなった煮込みのあの野蛮な味。
紫煙に体中包まれ、脂で薄茶になった白衣の店員に絡む常連客の話を盗み聞き酒の肴にしながら、
東北へ向かう夜行バスの到着を待つ小一時間が至福の時だ。
人間の明るいところと暗いところ、良い人間と悪い人間、正義と悪、綺麗と汚い。
そういう言葉がすべてごちゃ混ぜになったものや場所が世の中にはあったしこれからもあるだろう。
近頃の日本酒は海外でも比較的嗜まれる傾向にあるようで、それ自体は「良いこと」ダと思う。
全国の造り酒屋が販路を世界に広げようと頑張っている。それも「良いこと」ダと思う。
でも忘れてほしくないのは、そんなことどうでもいいし、ただ俺は酒が飲めればいいんだ酔わせてくれよ、
そんな気持ちでふらっと酒を飲みに来る人間がいるし、ぶっきらぼうだがそれでいてそんなおかしな人間たちを優しく受け止めてくれる飲み屋(人間)があるってこと。
今日もあの飲み屋には連中が薄汚い横長のカウンターに規則正しく並んで、くだを巻きつつ酒を飲んでいるに違いない。
そんな愛すべき人間たちに心からの敬意を捧げる。
・Categories
・SNS
・出展情報
「うつわベーシック 碗と椀」
2019年3月13日(水)–5月13日(月)
国立新美術館B1階 SFT GALLERY(東京)
>>詳しくはこちら
「フィールドオブクラフト倉敷」
2018年5月12日(土)–13日(日)
倉敷市芸文館前広場(岡山)
>>終了しました
「飯碗と汁椀展」
2018年3月2日(金)–3月28日(水)
うつわ京都やまほん(京都市)
>>終了しました
・Profile/Contact
・Archives
・Selected Entries